長崎・神ノ島を歩く。岬のマリア像と海、そして鳥居の下で出会った猫

長崎・神ノ島を歩く。岬のマリア像と海、そして鳥居の下で出会った猫

長崎港の入口に位置する、長崎市神ノ島。

今回の目的地は、その海辺に立つ「岬のマリア像」です。

実はここを訪れるのは初めてではありません。

今から10年ほど前、妻と海沿いをドライブしていたときに、

「海沿いやし、猫おるんじゃない?w」

くらいの軽い気持ちで訪れたのが最初でした。

ちなみに、そのとき猫には一匹も会えませんでした(笑)。

それから約10年。

NAGASAKI MAGAZINEを始めて、長崎の町を以前よりもゆっくり見るようになった今、もう一度あの場所を歩いてみたくなりました。

目的地は同じでも、見える景色はきっと前とは違う。

そんな神ノ島、2回目の散策です。


女神大橋を渡って、木鉢方面へ

今回は女神大橋を渡り、木鉢方面へ降りて神ノ島を目指しました。

目的地へ一直線――ではありません(笑)。

海が見えたり、港が見えたり、

「ここ、よかね」

と思う景色があれば車を止めて写真を撮りながら進みます。

この日は朝から天気にも恵まれて、もう道中からずっと絶景。

この写真も、女神大橋から木鉢方面へ降りる途中で撮った一枚。

斜面に並ぶ家々、その向こうに港と海。

さらに奥には造船所や島まで見えます。

目的地へ着く前から、

「神ノ島、もう始まっとるやんw」

という感じです。

朝の景色も最高でしたが、ここは夕方もきっときれいだろうなあ。

次は時間帯を変えて走ってみたくなります。


港と船を眺めながら、神ノ島の奥へ

神ノ島へ入っていくと、海沿いには小さな港や船着き場が続きます。

個人的には、どことなく以前歩いた網場を思い出しました。

もちろん町の形も景色も同じではありません。

でも、海のすぐそばに家があり、その前に船があり、日常の中に港がある。

観光地として見る「海」ではなく、

そこで暮らす人たちの生活の中に海がある感じ。

こういう場所を歩くのが、やっぱり好きなんですよね。


思わず車を止めた、海辺の恵比寿様

そして道中、気になるものを発見。

海を背にして座る、小さな石像。

「これ、恵比寿様かな?」

気になって、また車を止めましたw

帰ってから調べてみると……

やっぱり恵比寿様でした。

長崎市の公式観光情報によると、この岬には鳥居があり、その先には鯛を抱えた恵比寿様が豊漁の神として祀られています。

そして、その先に立っているのが岬の聖母像。

つまりここには、

恵比寿様とマリア様。

異なる信仰の象徴が、同じ海を見つめるように存在しています。

これ、知らずに来たら普通に通り過ぎていたかもしれません。

近くには「水神宮」と刻まれた石柱もありました。

海とともに暮らしてきた町だからこそ、海の安全や豊漁を願うものが、今も町の風景の中に残っているのかもしれません。

こういうものを見つけるたびに、

「なんでここにあるんやろ?」

と思ってしまう。

最近、この瞬間が結構好きですw


高台に建つ神ノ島教会へ

岬のマリア像へ向かう前に、近くにあるカトリック神ノ島教会へ。

いや……

階段すごっ(笑)。

そして、その上に見える白い教会。

青空に真っ白な建物が映えて、下から見上げる姿にはかなりの存在感があります。

長崎市の地域資料を調べてみると、神ノ島教会は1881年に木造で建立され、その後1897年にレンガ造りで再建されたとされています。

長崎に暮らしていると教会のある風景そのものには馴染みがあります。

それでも、海辺の町の高台にこうして教会が建っている景色を見ると、

「長崎らしいなあ」

と改めて思います。

詳しい歴史については、またいつかきちんと調べながら歩いてみたい場所です。


そして、岬のマリア像へ

教会をあとにして、今回の目的地へ。

海岸まで進むと見えてくるのが、

岬のマリア像(岬の聖母像)です。

これです。

約10年前にも見た景色。

でも改めて見ると、やっぱりすごい。

海に突き出した岩の上に立つ白いマリア像。

その向こうには女神大橋。

空、海、岩、橋、そしてマリア像。

個人的に今回一番好きな景色のひとつです。

長崎市の資料によると、岬のマリア像が建てられたのは1949年。聖フランシスコ・ザビエル渡来400周年を記念したものだそうです。

現在の長崎市公式観光サイトでは、高さ4.7mのマリア像として紹介されています。

長崎港を行き交う船からも見ることのできる、海辺のマリア像です。


今回はマリア像の足元へ行けなかった。でも……

以前訪れたときはマリア像の近くまで行った記憶があるのですが、今回は足元へ続く場所が柵で封鎖されていました。

現地では崩落の危険を知らせる表示もあり、今回は無理に近づかず、入れる範囲から見ることに。

残念ではあったんですが……

これが逆によかったのかもしれません。

「じゃあ、こっち歩いてみるか」

と周囲の磯へ。

もし普通にマリア像の足元まで上がれていたら、ここまで磯を歩かなかったかもしれません。

予定どおりにいかなかったことで、別の景色に出会いました。

こういうのも、まち歩きの面白いところです。

※現在は立入禁止となっている場所があります。現地の柵や案内に従い、安全な場所から見学してください。


磯を見ると、なぜか体が勝手に動く(笑)

そしてここからは、完全に個人的な習性です。

磯があったら歩いてしまう(笑)。

岩場、水たまり、波の音。

海の向こうには香焼。

マリア像へ着くまでの港町には網場を思い出しましたが、この磯まで来ると、今度は地元・香焼の海老瀬あたりの海岸を思い出しました。

もちろん場所は違います。

でも、手が入りすぎていない磯や岩場を見ていると、どこか似た空気を感じます。

長崎の海岸って、離れた場所でもどこかでつながっているのかもしれません。

……というのは、歴史でも地質学でもなく、

ただ長崎の海辺を歩くのが好きな人間の感想です(笑)。

写真だけでも景色は残せます。

でも、この場所は波の音や風まで含めて神ノ島。

動画でも少しだけ、この空気を残しておきます。


そして鳥居の下に……猫?

磯を歩いていると、

鳥居の下に何かいる。

「あれ?」

猫やんwww

10年前。

「海沿いやし猫おるやろ!」

と期待して来たときには一匹も会えなかったのに(笑)。

今回は猫を探していたわけでもないのに、まさかの遭遇。

猫って、こっちが期待して探しに行くと高確率で会えない気がします(笑)。

実はわが家の保護猫、サボ君とモモちゃんもそうでした。

「今は猫ちゃん飼えないよね~」

なんて話していた時期に出会って、今では家族。

猫との出会いって、こっちが予定するものじゃないのかもしれません。

しかも逃げない。むしろ来る(笑)

「まあ近づいたら逃げるやろ」

と思いながら近づいてみると……

逃げない。

それどころか、

向こうから近づいてきた(笑)。

足元にスリスリ。

撫でさせてもくれました。

かなり人に慣れている様子。

誰かがお世話をしている猫なのか、地域で可愛がられている猫なのか。

そのあたりの事情は分からないので、こちらから食べ物をあげることはしませんでした。

ただ、

地域のみんなに可愛がられている猫だったらいいな。

そんなことを思いながらバイバイ。

鳥居の下に現れて、向こうから近づいてくる。

もう勝手に、

「神ノ島の神の使いやったんやろw」

ということにしておきます(笑)。


やっぱり、海は落ち着く

今回歩いていて改めて思ったのが、

やっぱり海は落ち着く。

別に何かをするわけでもありません。

海を見て、歩いて、波の音を聞く。

それだけ。

しかもこの日は空が最高でした。

青空だけではなく、いろんな形の雲が広がっていて、海の表情も見る方向によって変わります。

マリア像周辺では釣りをしている人の姿も何人か見かけました。

実際に何が釣れるのかは分かりませんが、

いかにも釣れそうな海(笑)。

今度はもっと時間を取って、何も急がず歩いてみたい場所です。

ちなみに正面に見える島は高鉾島。

神ノ島周辺は、今は陸続きですが、かつて神ノ島自体も文字どおり「島」だった場所です。長崎市の資料では、江戸時代には高鉾島に台場が築かれ、神ノ島にも砲台が置かれるなど、長崎港を守る重要な場所だった歴史も確認できます。

海がきれい。

だけじゃない。

この海をずっと見てきた人たちがいて、この海を守るための歴史があって、この海の安全を願う信仰もある。

調べてみると、景色の奥にいろんなものが見えてきます。


海のすぐそばに、工業地帯がある

そして神ノ島でもうひとつ面白いと思ったのが、景色の変化。

マリア像周辺では、

磯、鳥居、猫、教会、港。

どこか昔から続いてきた海辺の町を感じます。

ところが車でほんの数分走ると……

景色が一気に変わります。

大きな工場や設備が並ぶ神ノ島の工業地帯。

今回は帰りにこちら側へ抜けて、再び女神大橋を渡りました。

さっきまで磯を歩いていたのに、数分後には大規模な工業地帯。

この振れ幅が面白い。

教会がある。
マリア像がある。
漁港がある。
磯がある。
猫がいる。
そして大きな工場がある。

ひとつの町の中に、まったく違う景色が同居している。

それもまた、神ノ島の魅力なのだと思います。


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今回の神ノ島も、最初から何か特別なものを探しに行ったわけではありません。

目的は岬のマリア像。

でも実際に歩いて印象に残ったのは、それだけではありませんでした。

女神大橋から見えた町。

坂の上の教会。

港に並ぶ船。

海辺に置かれた像と水神宮。

足元まで行けなかったことで歩いた磯。

鳥居。

そこで偶然出会った猫。

そして少し走った先に広がる工業地帯。

10年前にも訪れた場所なのに、

歩き方が変わると、見えるものまで変わる。

最近NAGASAKI MAGAZINEを作りながら、そんなことをよく感じます。

有名な観光地だけが、長崎ではありません。

むしろ、その途中にある景色や、

「ん?これ何やろ?」

と足を止めた場所のほうが、あとから妙に記憶に残ったりする。

そんな長崎の日常を、これからも自分たちの目線で残していきたいと思います。


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まとめ|10年ぶりの神ノ島は、前より面白かった

約10年ぶりに訪れた神ノ島。

前回と同じマリア像を見に来たはずなのに、今回はまったく違う場所を歩いたような感覚がありました。

それはきっと、場所が変わったからではなく、

自分の見方が少し変わったから。

以前なら目的地を見て帰っていたかもしれません。

今は途中で車を止める。

気になった階段を見上げる。

磯があれば歩く。

「これは何だろう?」と思えば写真を撮る。

そして、予定していなかった猫に出会う(笑)。

この日は時間が限られていて、少し急ぎ足の神ノ島散策でした。

だからこそ、

「今度はもっとゆっくり歩きたい」

と思っています。

夕方の海も見てみたい。

別の道も歩いてみたい。

まだ気づいていない景色も、きっとある。

神ノ島は今回で終わりではなく、また歩きに来る場所になりそうです。


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この記事を書いた人

道下 真悟(みちした しんご)

有限会社長崎ダイレクトセンター 代表取締役 / Web解析士

長崎生まれ、長崎育ち。

Webサイト制作やDM発送など、企業の情報発信をサポートする仕事に携わる一方で、休日や仕事の合間にはカメラを片手に長崎の街を歩き、坂道や路地、海、港、歴史ある街並みを巡っています。

NAGASAKI MAGAZINEでは、実際に自分の足で歩き、見て、感じた長崎の魅力を写真とともに発信中。

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