長崎・善長谷教会へ|山の上で出会った、海と島々を望む絶景

海の向こうに、ずっと見えていた教会

長崎市南部、大籠町の山の上に建つ善長谷教会(ぜんちょうだにきょうかい)

実はこの教会、私にとっては昔から「知っている場所」でした。

というのも、自宅のある香焼から海の向こうを見ると、山の上に建つ教会の姿が見えるんです。

写真にすると小さくて分かりづらいのですが、肉眼では意外とはっきり見えます。

子どもの頃、父に連れて行ってもらった記憶があります。

大人になってからも一度行ったような気がするのですが、写真も残っておらず、記憶もかなり曖昧。

それでもゴルフの練習場へ向かう途中などに善長谷教会へ続く道の入口を通るたび、

「いつかまた行ってみたいな」

と思っていました。

最近、NAGASAKI MAGAZINEで長崎のいろいろな場所を歩いて記事にするようになり、

「そうだ。善長谷教会に行ってみよう。」

と思い立ったのが、今回訪れたきっかけです。


香焼から深堀を抜けて、善長谷へ

今回は香焼を出発。

香焼中学校の裏手を通り、深堀の海岸線を走って向かいました。

その後、深堀の漁港方面へ入り、昔ながらの住宅が残る街並みを抜けて大籠方面へ。

そこから少しずつ山の中へ入っていきます。

平山台方面へ登っていくと「善長谷」のバス停があり、その付近から左へ。

あとは途中にある案内標識を確認しながら、善長谷教会を目指します。

ここから先は一気に雰囲気が変わります。

山の中を通る細い道。

「本当にこの先に教会があるのかな?」

そんな気持ちになりながら進んでいくと、その先に善長谷教会が現れました。


駐車場に着いた時点で、すでに絶景だった

教会の近くには数台分の駐車スペースがあります。

そして車を降りて、まず驚いたのが景色。

いや、ここ……すごい。

山の中を登ってきた先で、一気に視界が開けます。

青い海と、その向こうに浮かぶ島々。

天気が良かったこともあり、この日は高島、そして軍艦島(端島)まで一望することができました。

長崎に住んでいると海を見ること自体は珍しくありません。

でも、ここから見る景色はちょっと違う。

山の静けさと、目の前いっぱいに広がる海。

しばらく何もせず、ただ景色を眺めていたくなる場所でした。


階段を上った先に建つ、善長谷教会

駐車場から階段を上っていきます。

階段の先に見えてくるのが善長谷教会。

大きな観光施設があるわけでもありません。

派手な建物でもありません。

でも、山の緑に囲まれた小さな教会には、何とも言えない存在感があります。

そして印象的だったのが、教会のそばに立つ大きな木。

長い年月、この場所と教会を見守ってきたんだろうな。

そんなことを考えていると、不思議なくらい気持ちが静かになっていきます。


善長谷に受け継がれてきた信仰の歴史

この場所の魅力は、景色だけではありません。

調べてみると善長谷には、長崎のキリシタンの歴史が残されています。

長崎県の公式観光サイトによると、善長谷は1823年に外海の東樫山から移住したキリシタンの子孫が暮らした山里で、その後カトリックへ復帰し、1895年には教会が建てられたとされています。

現在の善長谷教会は、カトリック長崎大司教区の深堀教会に属する巡回教会で、教会堂名は「無原罪の聖マリア」です。

さらに長崎市の資料を調べてみると、この場所からの風景を愛した人物がいました。

作家の遠藤周作です。

長崎市の「ナガジン」では、遠藤周作が善長谷教会からの風景を愛し、この教会が小説『女の一生 一部・キクの場合』にも登場すると紹介されています。

それを知ってから改めて海を見ると、

「この景色を昔からいろいろな人が眺めてきたんだな」

と、この場所の見え方が少し変わりました。


教会の裏側へ回ると、また違う景色が

教会の周囲を歩いてみると、見る方向によって雰囲気が変わります。

今回アイキャッチにも使ったのが、教会の裏側から見た景色。

赤い壁と白い十字架。

その向こうには青い海。

個人的には、この角度がかなり好きでした。

教会そのものの美しさだけでなく、

「山の上に教会が建っている」

という善長谷教会らしさが伝わる景色だと思います。


写真だけでは伝わらない景色を動画でも

今回、この景色は写真だけでは伝わらない気がして、短い動画も撮影しました。

海の広がりや山の静けさ、教会が建つ場所の空気感。

ぜひ動画でも見てもらえたらと思います。

天気のいい日は、本当に気持ちのいい場所です。


善長谷教会を訪れる際に気をつけたいこと

実際に訪れてみて、いくつか気をつけたほうがいいと感じたことがあります。

まず、教会へ向かう最後の道はかなり狭い場所があります。

対向車には十分注意し、スピードを落として走ることをおすすめします。

また、教会周辺には民家があります。

ここは観光施設というより、地域の方々が暮らし、信者の方々が現在も大切にしている祈りの場所です。

長崎県の公式観光サイトでも、見学時には教会のマナーを守るよう案内されています。

現在も善長谷教会では日曜日にミサが行われていますので、静かに見学したい場合はミサや教会行事の時間を避けるなど、信者の方への配慮を忘れずに訪れたいところです。

また、周辺は山の中です。

特に明け方や夕暮れ以降は道も暗くなります。

野生動物と遭遇する可能性も考え、初めて訪れるなら個人的には明るい時間帯、できれば天気の良い日がおすすめです。


海の向こうから見ていた場所で、今度はいつもの海を眺める

小さい頃から、香焼の海の向こうに見えていた善長谷教会。

記事の最初に載せた写真も、いつも見慣れている香焼側から善長谷教会のある山を眺めた景色です。

そして今回、実際に善長谷教会まで登ってきて、ふと海の向こうを眺めてみると・・・

今度は、いつも見ている景色を反対側から眺めていました。

教会から見える海の向こうには、普段見慣れている香焼の景色。

そして、家の前に広がる竹崎の海水浴場も見えます。

いつもは「あの山の上に教会がある」とこちら側から眺めていたのに、今日はその教会から、いつもの海を見ている。

ただそれだけのことなんですが、なんだかすごく新鮮でした。

「いつも向こうから見ていた場所に、今自分が立ってるんだな。」

そんなことを思いながら眺める景色は、普段見慣れているはずの海なのに、いつもとは少し違って見えます。

子どもの頃に父に連れてきてもらった記憶は、もうかなり曖昧です。

それでも今回、大人になって改めて訪れてみると、大きな木に囲まれた静かな教会と、その先に広がる青い海、そして高島や軍艦島まで見渡せる景色がありました。

昔から知っていたはずなのに、

「こんなにいい場所だったんだ。」

と、初めて知ったような気がします。

長崎には、普段何気なく見ている景色の「向こう側」に、まだ知らない場所がたくさんあるのかもしれません。

海の向こうからずっと見ていた善長谷教会。

今度はその場所から、いつもの海を眺める。

なんというか、

心が洗われる。

そんな言葉が、本当に似合う場所でした。


善長谷教会

所在地:長崎県長崎市大籠町519
教会堂名:無原罪の聖マリア
深堀教会の巡回教会
駐車スペースあり

※善長谷教会は現在も信者の方々が利用する祈りの場です。訪問の際はミサや教会行事、周辺住民の方々への配慮をお願いします。最新の情報は公式案内をご確認ください。

善長谷教会|ながさき旅ネット公式案内


SAKAMACHI SUPPLY的な視点

SAKAMACHI SUPPLYでは、長崎の何気ない日常や風景をデザインのきっかけにしています。

善長谷教会を訪れて改めて感じたのは、長崎には「いつも見えているのに、まだ知らない場所」がたくさんあるということ。

香焼から海の向こうに見えていた山の上の教会。

ずっと存在は知っていたけれど、実際にそこへ行き、反対側からいつもの海を眺めてみると、見慣れた景色がまったく違って見えました。

坂を登った先に突然現れる景色。
山の緑に囲まれた小さな教会。
その向こうに広がる青い海と島々。

こういう場所に出会うと、長崎という街はまだまだ面白いなと思います。

有名な観光地だけではなく、普段の暮らしのすぐそばにある風景にも、この街らしさはたくさん詰まっている。

この街の日常が、デザインになる。

善長谷教会で見た景色もまた、SAKAMACHI SUPPLYが大切にしていきたい「長崎の日常」のひとつでした。


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まとめ|海の向こうに見えていた善長谷教会へ

小さい頃から、香焼の海の向こうに見えていた善長谷教会。

いつかまた行ってみたいと思いながら、なかなか訪れることのなかった場所へ、今回久しぶりに足を運びました。

実際に行ってみると、そこにあったのは記憶の中に残っていた小さな教会だけではありませんでした。

大きな木々に囲まれた静かな空間。

高島や軍艦島まで見渡せる海。

そして何より印象に残ったのが、いつも教会を眺めていた香焼の海を、今度は教会側から眺められたこと。

同じ海、同じ街なのに、見る場所が変わるだけで景色の感じ方まで変わる。

そんな発見ができるのも、実際にその場所を歩いてみる面白さなのかもしれません。

善長谷教会は観光のためにつくられた場所ではなく、今も大切に守られている祈りの場所です。

訪れる際にはそのことを忘れず、静かにこの場所の空気と景色を感じてもらえたらと思います。

そして天気のいい日に訪れたなら、ぜひ教会だけでなく、その先に広がる海にも目を向けてみてください。

海の向こうからずっと見ていた場所で、今度はいつもの海を眺める。

今回の善長谷教会は、そんなちょっと不思議で、心に残る場所でした。


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この記事を書いた人

道下 真悟(みちした しんご)

有限会社長崎ダイレクトセンター 代表取締役 / Web解析士

長崎生まれ、長崎育ち。

Webサイト制作やDM発送など、企業の情報発信をサポートする仕事に携わる一方で、休日や仕事の合間にはカメラを片手に長崎の街を歩き、坂道や路地、海、港、歴史ある街並みを巡っています。

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