鹿尾川の対岸を歩く|いつもの国道499号を反対側から見てみた【長崎市磯道町】

いつもの499号を、反対側から見てみたい

長崎市南部を走る国道499号。

鶴見台にある会社から出かけるときにもよく使う、自分にとっては見慣れた道です。

その499号を走っていると、鹿尾川を挟んだ向こう側に住宅地が見えます。

毎日のように通っている場所なのに、考えてみると自分はあの対岸へほとんど行った記憶がありません。

もしかすると一度くらいは入ったことがあるのかもしれませんが、それすら覚えていないくらい。

鹿尾川のさらに奥、大山方面にある長崎市民の森などには、子どもたちと蛍を見に行ったこともあります。

それなのに、いつも目の前に見えている対岸だけは知らない。

最近、長崎の町を歩いて記事を書くようになってから、ずっと気になっていました。

「あっち側から、いつも走っている499号を見たらどんな景色なんだろう。」

せっかくなら実際に歩いてみよう。

そう思い、今回は鹿尾川の対岸、磯道町を歩いてみることにしました。


橋を渡って、まずは予定外の寄り道

鶴見台から国道499号を大山方面へ進み、橋を渡って対岸へ。

橋を渡ってそのまま進めば住宅地へ入っていくのですが、最初から予定通りには進みません(笑)。

川沿いを見ると、大山方面へ道が続いている。

「ちょっとあっちも見てみよう。」

いつものことですが、歩いていると気になった方向へ行きたくなります。

そこで住宅地へ入る前に、鹿尾川沿いを大山方面へ歩いてみました。

しばらく進み、道の奥まで行ってみると、そこで目に入ったのが一本の大きな木。

石垣というか壁というか、その中に根を張るように大きな木が立っています。

この前、千々海岸で見たアコウの木を思い出すような姿。

同じ木なのかは分かりませんが、壁と一体になったような姿が妙に気になって、しばらく眺めてしまいました。

目的は499号を反対側から見ることだったはずなのに、早速寄り道(笑)。

でも、こういう予定になかった発見があるから、歩くのは面白い。

ここから一度Uターンして、今度こそ住宅地の方へ向かいます。


猛暑の499号と、風が抜ける対岸

この日の長崎は、予報では最高気温37℃。

とにかく暑い日でした。

ところが対岸へ入って最初に感じたのが、「あれ?こっち少し涼しくない?」ということ。

もちろん実際に気温を測ったわけではありません。

それでも体感では、499号側より2~3℃くらい低いんじゃないかと思うほど。

鹿尾川沿いには風が通り、住宅地の中にもその風が抜けてきます。

川があるからなのか、大山方面の山が近いからなのか、それとも単純にこの日の風向きなのか。

理由は分かりません。

それでも、強烈な日差しの中を歩いていた自分には、この風がかなり心地よく感じられました。


川なのに、どこか海の匂いがする

そしてもうひとつ、歩き始めて印象に残ったのが匂いでした。

地図を見ると、ここを流れているのは鹿尾川。

大山方面の上流も知っていますが、その辺りでは普通の川という印象があります。

ところが、この辺りまで来ると少し違う。

歩いていると、はっきりと磯のような香りを感じました。

海との合流地点が近いからなのか、目の前にあるのは川なのに、感覚としてはどこか海岸を歩いているようです。

この日は水位がかなり低く、普段は水の下にあると思われる場所まで広く姿を見せていました。

近くまで降りてみると、そこには牡蠣の殻。

川なのに、見えるものも匂いも海っぽい。

この辺りの鹿尾川が持つ独特の表情が面白くて、しばらく川沿いを歩いてみました。


潮によって変わる、鹿尾川の景色

普段499号を車で走っているときにも感じますが、この辺りの鹿尾川は水位がかなり変わる印象があります。

この日は大きく水が引いていて、川底が広く見えていました。

一方、水位があるときには、ここでカヌーの練習をしている学生らしき姿を見かけることもあります。

同じ鹿尾川でも、水位によって今日とはまったく違う景色になるのでしょう。

雨の後や水位が高い時間帯などは、川へ不用意に近づかない方がよさそうです。

今日はたまたま水が大きく引いたタイミング。

普段499号から眺めているだけでは見えなかった鹿尾川の表情を見ることができました。


古い道と新しい家が混ざる、磯道町の住宅地

川沿いから住宅地の中へ。

ここも歩いてみるとなかなか面白い場所でした。

昔からありそうな住宅やアパートがある一方で、新しい家も建っています。

比較的きれいに区画された場所もあれば、その間を縫うように昔ながらの細い道も残っています。

車では途中までしか入れない場所もあり、ここは歩いてみて正解でした。

川沿いだけを見ていると平坦な住宅地のように感じますが、少し山側へ入ると景色はまた変わります。

「あっちには何があるんだろう」

「この道はどこにつながってるんだろう」

そんなことを考えながら、行っては戻り、また違う道へ。

今回もなかなか真っすぐ進みません(笑)。

ただ、この辺りは観光地ではなく、地域の方々が普通に暮らしている生活の場所。

実際、川沿いの道でも何人かの住民の方とすれ違いました。

歩く場合は、住んでいる方の邪魔にならないよう静かに歩く。

そんな場所だと思います。


そして、反対側から見た国道499号

今回、一番見てみたかった景色。

住宅地と川沿いを歩いていると、鹿尾川の向こう側に国道499号が見えてきます。

毎日のように車で走っている道。

どこに何があるのかも、だいたい分かっている道です。

なのに反対側から見ると、

なんだか、いつもの499号に見えません。

川の向こうを車やバスが走っていく。

その手前には鹿尾川があり、この日は干潮で現れた川底が広がっています。

たった川一本。

立っている場所を少し変えただけなのに、見慣れた景色がまったく違って見える。

対岸から眺める国道499号。
普段はあちら側を車で走っているだけに、こうして反対側から眺める景色はなんとも新鮮でした。

これが見たくて今回ここへ来たのですが、実際に見てみると想像していた以上に新鮮でした。

いつもなら「あっち側」を走っている自分が、今日はこっち側から眺めている。

それだけのことなのに、妙に面白い。


毎日通る赤い橋も、下から見ると別の景色

住宅地を抜け、再び499号へ戻る方向へ歩いていきます。

そこで、もうひとつ面白いものを見つけました。

499号へ合流するところにある、いつも何気なく通っている赤い橋。

この日初めて、対岸側から橋の下をじっくり見ました。

「こんなふうになってたんだ。」

毎日のように通っているのに、この角度から見たことがありません。

この場所自体は車でも通れます。

でも車だったら、おそらく一瞬で通り過ぎていたはず。

歩いていたから立ち止まり、橋の下を見上げることができた。

今日何度目かの、

「知っている場所なのに、知らない景色」

でした。


最後は、いつもの499号を歩いて帰る

ぐるっと歩いて、最後は国道499号へ。

ここからは、いつも車で走っている歩道を歩いて戻ります。

考えてみると、この辺りの499号を歩いたのは中学生くらいの頃以来かもしれません。

そして、そのとき歩いた理由を思い出しました。

塾をサボって、友達と歩いて帰ったときです(笑)。

まさか何十年も経って、長崎のWebマガジンの記事を書くために同じ道を歩くことになるとは。

人生、分からないものです(笑)。

そして今度は499号側から、さっきまで歩いていた対岸を眺めます。

車から見ていた頃には気づきませんでしたが、住宅は川沿いだけではありません。

山の斜面の方まで家が続いています。

最初は、

「向こう側から499号を見てみたい。」

それだけだった今回の散策。

最後には逆に、499号から対岸を改めて見ることになりました。

行く前と帰ってきたあとで、同じ景色の見え方が少し変わった気がします。


SAKAMACHI SUPPLY的な視点

今回歩いた場所に、有名な観光スポットがあるわけではありません。

鹿尾川があって、住宅があって、その向こうを国道499号が走っている。

毎日そこで暮らしている人にとっては、ごく普通の景色なのだと思います。

でも、普段いる場所からほんの少し視点を変えるだけで、その「普通」が急に面白く見えることがあります。

車で通り過ぎていた橋の下。

いつも反対側から見ていた住宅地。

川沿いの細い道。

壁から伸びる大きな木。

潮が引いた鹿尾川と、そこに残る牡蠣の殻。

どれも歩かなければ、おそらく気づかなかった景色でした。

SAKAMACHI SUPPLYが大切にしている、

「この街の日常が、デザインになる。」

という言葉。

その「日常」は、特別な場所だけにあるものではありません。

いつも見ている景色を、少し違う場所から眺めてみる。

それだけでも、この街にはまだまだ知らない面白さがあるのかもしれません。


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まとめ|反対側へ行っただけで、いつもの景色が変わった

毎日のように通る国道499号。

そのすぐ向こう側なのに、ほとんど歩いたことがなかった鹿尾川の対岸。

今回実際に歩いてみると、想像していた以上にいろいろな発見がありました。

風が抜ける川沿い。

磯の香り。

潮が引いて姿を見せた川底と牡蠣殻。

古い道と新しい住宅が混ざる町。

いつもとは反対側から見る499号。

そして、初めてじっくり見た赤い橋の下。

遠くへ出かけたわけではありません。

会社からも、自宅からも近い場所です。

それでも、立つ場所を変えて、車を降りて歩いてみるだけで、いつもの長崎が知らない町のように見えました。

最近こうして長崎を歩いていると、つくづく思います。

まだまだ、自分の知らない長崎がある。

そして案外それは、遠くではなく、毎日通っている道のすぐ向こう側にあるのかもしれません。


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この記事を書いた人

道下 真悟(みちした しんご)

有限会社長崎ダイレクトセンター 代表取締役 / Web解析士

長崎生まれ、長崎育ち。

Webサイト制作やDM発送など、企業の情報発信をサポートする仕事に携わる一方で、休日や仕事の合間にはカメラを片手に長崎の街を歩き、坂道や路地、海、港、歴史ある街並みを巡っています。

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